自己中心ではダメ・・
「おい!満タンにしといていてくれ!!」
スタンドの二階にも新車販売の事務所がありました。
新車のセールスマンだったその人は、私にキーを放り渡して、二階へと上がっていきました。
アラクレスタンドマンになっていた19歳頃の私は、、プッツン切れてしまいました。
キーを持って二階へと駆け上がり、そのセールスを羽交い絞めにして倒し・・
頭から、引き摺り下ろしてしまいました。
多少の怪我をしたみたいですがお構いなし・・
キーを返して自分で、キャップを開けさせました。
この新車のセールス氏、なかなか成績が良かったそうで、、、
この事件の35年後に、、
ATグループ(愛知トヨタグループ)の、あるディーラーの社長になりました。
ユーズネットグループとも、年間 5・6千万円の取引がありました。
が、、知ってか知らずか、ただの一度の挨拶も、顔を合わせることもなく・・・
2~3年前に、年齢に達して、退任となりました。
ある雨の日でした、、
主任が、「ちょっと、本館の事務所へ行ってくる、ラーメンが頼んであるんで、すぐかえるでな・・」
と言って、道路を隔てた本館へ行きました。
間もなく、ラーメンが2人前届きました。もう一つは誰のかな?
と、回りに聞いてみたけどわかりません。
自分もお腹がすいていたので、間違いで届いたなら、
私が支払うから、いただこうと思って電話しました。
「いらんこった、、とっときゃええわー、イランこと電話するな!」
どうもその後すぐに、主任の友達が来ることになっていたようでした。
私はこの電話で、プッツン切れてしまいました。
「何だーその言い方は・・・何様だとおもっとるんだ!!おぼえとれよ!!!」
主任・・「誰に、ものを言っとる!今すぐ帰ってひどい目にあわせたるでな・・」
それだけ言って、一方的に電話を切ってしまいました。
血相を変えて帰って来た、主任に、
私は、ラーメンをオツユごと、ぶっ掛けてしまいました。
その日その後どうなったかは、、おぼえておりません。
スタンドの、井上はひどいやつだは、瞬く間に有名になりました。
スタンドの仕事は不適格と言うことで、
今度は、同じ油の部門の、配達係になりました。
オイルがイッパイ詰まった、ドラム缶をいっぱい積んで配達して回る仕事です。
トラックが3台ありましたが、、、どの車も、、ブレーキが効きません。
とにかく、止まらないのです。
すぐ課長に、ハイドロマスター(ブレーキ倍力装置)を付けてくれるように直訴しました。
答えは、今までみんなが乗っていて、事故はなかった・・
ブレーキにあった運転をすればよい・・
ブレーキは、シートから、尻を上げて、
両手でハンドルをイッパイ引きながら思いっきり踏むんだ。
が答えでした。
それから間もなくです・・
荷物をいっぱい積んで、信号が青から、黄色に変わる間際の、
高辻の交差点を直進しておりました。
前方の右、右折の車の陰から、オートバイが突っ込んできました。
気はついていても、ブレーキはまったく間に合いませんでした。
跳ねてしまいました。
ケイレンを起こしている怪我人を、トラックの荷台にを積んで病院まで運びました。
脳挫傷とかで、2・3日死線をさまよっていましたが、命は助かり、2・3ヵ月後に退院したそうです。
相手の人は、長野県の山村から出てきた、青年でした。
例の課長、井上君、君は悪くないし、会社の仕事中だったから、すべて会社で対処する。
だから、もう病院も行かないように・・と指示してきました。
そのときは、私も楽でいいや、と思ったのですが、どうも解せない指示だったと思っています。
私の常識では、「見舞いだけは行くように・・」なんだがなーと思いました。
何か、私がまずいことをしゃべっては困るからだったのでは、、と今でも思っています。
事故の解決でも解せない、納得できない?で、、
私は、より一層、すさんだアラクレになってしまいました。
会社への通勤は、カランコロンと高下駄を履いていくようになりました。
ある日、例の課長から、
「明日は、朝礼と伝達事項があるから少し早めに出社するように」と言う連絡が来ました。
私は、いつもの時間より遅く、通常の時間ぎりぎりに、二階の事務所への階段を・・・・
例によって、「カラン コロン」いつもより大きな音を立てて出社しました。
そしてみんなのいる前で、「仕事の話なら、時間内にしろよ!」と怒鳴ってしまいました。
スタンドの主任も、油販売部の課長も、私には手を焼いたと思います。
この課長・・・
25年後に、愛知県のJAFの事務局長になりました。
JAFの担当者が、会員拡大で当社へ来た時、、
まだ、当時の課長に悪い印象を持ち続けていた私は、
事務局長に会いたい、気持ちの整理がついたら協力すると言いました。
間もなく、事務局長が来社されました。
高下駄、カランコロン、朝礼にわざわざ遅く来てどなった件について、、、
「当時の君は、自分中心で周囲が見えなかっただよね」
「周囲が見えないうちは、何をしてもうまくいかないものなんだよね」
「そのすべてがうまくいかない原因を他人のせいにしていたんでしょう・・」
「人格形成の、過渡期で、君は目立ちすぎたんだよ・・」
「立場が変わって、君が私の立場だったらどうしたかね?」
創業、5・6年経った、ルートの事務所での話でした。
JAF会員の募集で、ルートは、いきなり、愛知県第1位(ディーラー以外)になりました。
「自分中心で、周囲に配慮が出来ないうちは・・
何をしても、うまくいかない」
私の販売の原点
つづき書きます。